「テレビというビジネスモデルの絶望と希望」
境 治さん (「テレビは生き残れるのか」著者 ディスカバー新書)
今回のゲストは広告代理店・映像製作会社を経て、現在はビデオプロモーションで
テレビやラジオの企画制作に携わる境治さん。
約20年に渡りテレビ業界に深く関わってきた境さんならではの視点で
「テレビというビジネスモデルの絶望と希望」についてお伺いしました。
第1部 テレビはどこがどう危機なのか
テレビの収益構造が広告収入から成り立っていること、ある番組の例として約1/3が
番組制作に使われていることなどを学んだ上で、主に2つの危機が挙げられました。
その① ここ数年で10代・20代のテレビ視聴時間が減っている
→50・60代の視聴時間は増えているが、若年層が減っている。(約100分/日→約70分/日)
若者のテレビ離れは、数十年後のテレビメディアの危機を予感させる。
その② WEBの台頭・リーマンショックを機に広告収入が落ちている
→バブル崩壊後に下がった後、持ち直していた広告収入がWEBの台頭・リー
マンショックによりシュリンク傾向に。番組制作費も減となり、番組の質の維持が難しくなり
つつある。
さらに、よい番組の指標として長年使われている「視聴率」の問題点に触れ、
一瞬でもお茶の間の目を引くために、インパクトの強い要素(例えば毒舌芸人など)を
投入したり、CMまたぎ、といったテクニックを使わざるを得ないジレンマに陥っていることを説明い
ただきました。
第2部 テレビメディアのこれから
今後の希望として、テレビビジネスには2つの可能性があることを提示されました。
その① 「広告収入」を増やす
→スマートフォンやタブレットが主流になる前提で、ネットとの融合を進め
る。例えば、ツイッターやフェイスブックでTV番組のアカウントを立ち上げ宣
伝。またテレビを見ながらその内容をネットでつぶやく動きを活性化させ、
それを見たネットユーザーからの視聴者流入を図る。
その② 「広告収入」以外のコンテンツビジネスで収入を得る
→テレビのコンテンツを映画などに展開し、権利収入を得る。
テレビ番組をひとつの作品と捉え、ビデオオンデマンドや他のデバイスで
も視聴できる環境を作り、有料で提供する。
ただテレビとネットの間には、考え方や風土のちがいがあるため、
お互いの業界の感覚や法律の壁を乗り越えることが必要ということでした。
その後、「テレビは必要か?不要か?」というグループワークが行われ、
「そもそもテレビが家にない」という方や、「テレビは単純に見ていて楽しい、
受身で情報が入るので楽」といったさまざまな意見があり、その中にライフスタイルや
年代間のギャップも見え隠れする、楽しい勉強会となりました。
また境さんのブログでもサンデーラボで講演いただいたことを記事にしていただいてい
ます。
http://sakaiosamu.com/2011/1219080024/
次回詳細は未定ですが、来年1月末開催を目標に魅力的なコンテンツの準備を進めてい
ます。
みなさんお楽しみに!

